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モーメントマグニチュードとは?

risa

モーメントマグニチュード(Moment Magnitude, MwM_w)は、地震の規模を示す尺度の一つで、地震のエネルギー放出量を物理的に測定する方法です。従来のリヒタースケール(マグニチュード)に代わり、現在では地震学で標準的に使用されています。以下にその特徴と計算方法、重要性を解説します。

1. モーメントマグニチュードの特徴

  • エネルギーの正確な評価:
    地震のエネルギー放出量を直接計算するため、大規模な地震においても正確に規模を評価できます。リヒタースケールでは極端に大きな地震の規模を過小評価する傾向がありましたが、モーメントマグニチュードはその問題を解決します。
  • 規模の上限なし:
    理論上、非常に大規模な地震にも対応できるため、マグニチュードが7以上の地震の評価に特に有用です。

2. モーメントマグニチュードの計算方法

モーメントマグニチュードは、以下の式で計算されます

Mw=23log⁡10(M0)−6.0M_w = \frac{2}{3} \log_{10}(M_0) – 6.0

ここで、M0M_0(モーメント)は地震のモーメントを指し、以下の要素で構成されます


M0=μ⋅A⋅DM_0 = \mu \cdot A \cdot D


μ\mu: 岩盤の剛性(通常は30GPa程度)


AA: 断層面積(地震の破壊が起こった面積)


DD: 断層の滑り量(変位量)


3. リヒタースケールとの違い

  • 測定対象:
    リヒタースケールは地震波の振幅を元に計算されますが、モーメントマグニチュードは地震による断層破壊の物理量に基づいています。
  • 適用範囲:
    リヒタースケールは中小規模の地震に適しているのに対し、モーメントマグニチュードは全ての規模の地震に適しています。

4. 重要性

モーメントマグニチュードは、地震のエネルギー放出量を科学的に正確に評価できるため、以下のような場面で特に重要です:

  • 防災対策: 大地震の規模を正確に把握し、適切な防災計画を立てる基礎データとなる。
  • 地震研究: 地震のメカニズムを解明する際の基本的な指標として使用される。
  • 国際比較: 世界各地の地震を統一的な基準で比較することが可能。

5. 実際の例

  • 東日本大震災(2011年): モーメントマグニチュード9.1
  • 阪神・淡路大震災(1995年): モーメントマグニチュード6.9

これらの例からも、地震のエネルギーの違いを定量的に理解することができます。


まとめ

モーメントマグニチュードは、地震の規模を正確に評価するために欠かせない指標です。

従来のリヒタースケールの限界を補い、地震による影響の理解や防災計画において重要な役割を果たしています。

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