英国の名女優マギー・スミスさんは、映画「ハリー・ポッター」シリーズのマクゴナガル先生役や
ドラマ「ダウントン・アビー」のヴァイオレット・クローリー役で広く知られています。
しかし、彼女のキャリアは舞台から映画まで多岐にわたり、数々の賞を受賞した輝かしいものでした。
一方、晩年には健康問題に直面しながらも、演技に情熱を注ぎ続けた彼女の姿勢は多くの人に感動を与えました。
本記事では、マギー・スミスさんの晩年の病気と、その中で見せた不屈の精神について振り返ります。
乳がんとの闘い
2009年、マギー・スミスさんは乳がんと診断されました。
彼女は70代でこの病気と向き合い、治療を受けながらも映画「ハリー・ポッター」シリーズの撮影に参加していました。
治療には化学療法も含まれ、彼女の体力は大きく消耗していたといいます。
それでも、プロフェッショナルとしての責任感から彼女は撮影現場に戻り、マクゴナガル先生としての役を
見事に演じきりました。
乳がんの診断は彼女にとって大きな衝撃で「将来がどうなるのかわからない」という不安を抱えていたと
語っています。
しかし、それでも彼女は役者としてのキャリアを諦めることなく、病気とともに生きる道を選びました。
グレーブス病の克服
乳がんの闘病以前、マギー・スミスさんはグレーブス病という自己免疫疾患にも苦しんでいました。
1988年にこの病気と診断され、甲状腺に影響を与えるこの疾患は、彼女の体力にさらなる負担をかけていました。
彼女は放射線治療と手術を受け回復を遂げましたが、この経験も彼女の健康に大きな影響を与えたことは
間違いありません。
それでもスミスさんは舞台やスクリーンでの活躍を続け、数々の名作に出演しました。
この時期にも、彼女の献身的な演技と情熱は多くの人々に勇気を与えました。
晩年のキャリアと挑戦
病気と闘いながらも、マギー・スミスさんは晩年まで俳優としての活動を続けました。
特に彼女が演じた「ダウントン・アビー」のヴァイオレット・クローリー役は、彼女のキャリアにおける
もう一つの代表作となりました。
シリーズは世界中で大ヒットし、スミスさんのウィットに富んだ演技は新たな世代のファンにも愛されました。
彼女自身、「ダウントン・アビー」の人気について驚きを隠せないと語りつつも、その役を楽しんでいたようです。
また、彼女は「ハリー・ポッター」シリーズでの長い撮影を「過酷だった」と振り返る一方で、役に対する
誇りを持っていました。
撮影中の身体的な負担を感じながらも、彼女は最後までマクゴナガル先生としての役者を演じきり、その
プロフェッショナルな姿勢は高く評価されました。
マギー・スミスさんは、晩年に直面した乳がんやグレーブス病といった健康問題にもかかわらず、女優としての
キャリアを続け、観客に感動を与え続けました。
彼女の演技は、単なるエンターテイメントを超え、勇気や希望を与えるものとなりました。
その不屈の精神は、多くの人々にとってインスピレーションであり、彼女が残した作品は、今後も語り継がれる
ことでしょう。